洞泉寺より、オリジナルカクテルのご提案です。副住職が下戸なくせして興味本位で始めたカクテル作り。実に多様なカクテルがありますが、一つ一つに考案者の想いが込められており、なかなか奥深いものです。
数ある中で、山形県の井山計一氏が昭和34年に考案された”雪国”というカクテルがございます。ウォッカをベースにホワイトキュラソーとライムジュースをシェイクして作られます。大変シンプルですが、今や世界中から親しまれる日本が誇るスタンダードカクテルです。
意外なことに井山氏も下戸ということですが、令和3年5月10日に95歳でご逝去されるまでの生涯を通じ、自ら経営されるバーのカウンターに立ち続けました。”雪国”を求める観光客でバーは連日満席だったそうです。一つのことに専心する井山氏の生き様からは学ぶことが多々あり、尊敬して止みません。
恐れ多いですが”雪国”を参考にオリジナルカクテルを洞泉寺でも考案してみました。ウォッカではなく日本酒をベースに、ホワイトキュラソーとライムジュースをシェイクして作ります。洞泉寺は十日町市室野というところにございますので、地名にちなんで”室野(むろの)”とカクテルを名付けました。
新潟県は全国有数の豪雪地帯です。そのような土地だからこそ採れる上質の米を使用して醸造された日本酒はどれもコクがあります。とりわけ十日町市の地酒である、松乃井(まつのい)や天神囃子(てんじんばやし)を使用すると、地域の風土がより味わえるかと思います。
室野は豊かな自然の緑に恵まれ、心地よい風が吹き通る所です。ライムのほのかな緑の色合いと清涼感のある風味が、室野を連想させる味わいとなっております。行事に、法要に、遊びに、洞泉寺にお越しの際は、お申しつけ頂ければオリジナルカクテル”室野”をご提供致します。ただし、副住職がいるときに限りますが…。是非、ご賞味下さい。