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  • 執筆者の写真洞泉寺

お彼岸。ある檀家様からの教え。

お彼岸の棚経も終盤です。数年前に地元から関東方面に転居された男性の檀家様のお宅に伺いました。御年90歳になられるとのこと。地元におられた頃から折紙名人として知られる方でしたが、スキルは健在。自ら折り方を研究したという手毬を頂きました。

見知らぬ土地に転居して寂しさは無かったかと伺ったところ、「人間生まれた時は誰も知らないところから始まるんだから、それと一緒だよ。」と。

転居以降も折紙を折り続け、ある日バス停で隣で待つ高校生に渡すと、「私の所にも来た!」と喜ばれたのだそう。その頃にはすっかり地域で噂の”折紙おじいさん”になっていたのでしょう。今や福祉のボランティアや小中学校の行事の来賓としても呼ばれるまでに至り、折紙を通じた出会いがあるそうです。

この方には孤独は無いのかもしれません。”桃李もの言わざれども下自ずから蹊を成す”、という言葉がありますが、この方のように優れた人物の側には自然と人が寄ってくるのだと感じました。

誰にも必ず老いはやってきますし、孤独というものは怖いものです。そこに向き合う指針を頂いた気がしました。

合掌





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